本とわたしを離さないで

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2015.07.26

2015.7.25 1周年記念トークイベントにご参加ありがとうございました。

昨日のイベントにご参加頂いた皆様、ありがとうございました。

夏葉社さんの島田さん、遠いところをありがとうございました。

お菓子をご用意くださったakkordさん、ありがとうございました。

暑いやら狭いやらで最初はどうなることかと思いましたが、無事終えることが出来てほっと致しました。

皆様のご協力と島田さんのユーモアを交えた素敵なトークのお陰です。

本当にありがとうございました。

「30代」や「独立」をキーワードに楽しく有意義な時間を過ごせたと思っております。

今後共どうぞよろしくお願い致します。

最後にイベント中でも紹介しました島田さんの「明日から出版社」(晶文社)から僕の大好きな言葉を紹介したいと思います。

夏葉社さんの一冊目「レンブラントの帽子」という小説を復刊するにあたり、こんな地味な作品が果たして売れるのだろうか、と島田さんは不安を覚えます。

 

必要なのは、おそらく、勇気だった。

とりあえずやってみよう、という勇気ではなく、売れなくてもいいんだ、という自棄っぱちな勇気でもない。

最初は売れないだろうけれど、ずっと我慢し続ける。それを理解する勇気が必要なのだと思った。

 

僕はこの言葉から時々勇気を貰っているのです。

 

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2015.07.12

友人

僕がお店を持ってからやりたかったことというか、そうなればいいなあ、と思っていたことの一つに

普段は忙しくてなかなか会えない友人たちがふらっと寄ってくれて、ちょっと世間話なんかして、

閉店間際だったら缶ビールなんか飲んだりして、またな、なんか言ったりして、そういう風に気軽に

集まれるような場所になればいいな、なんて思っていたのだけれど、現実はそうでもなくて、

やっぱりみんな働き盛りだし、子どもが出来たりして忙しいし、そもそもみんなもう同じ街に住んでいるわけでもないし、

お店は電車や車でないと来られないわけだから、そういう場所にはまだなっていない。

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でも1周年の日に、知らせたわけでもないけれど親友が2人ふらっと来てくれて、不要な絵本なんか紙袋に入れて持ってきてくれて、

本を買ってくれて、特に変わったこともなくて、色々抱えているものがあるのだろうけどそういう話もなくて、元気そうで「またな」と言って帰っていった。

2015.06.24

橋口幸子 / いちべついらい 田村和子さんのこと

一晩で読み終わって、その余韻がずっと続いている。ずっとこの本について考えている。多くは書けない。

この本には哀しみがあり、死があるわけなんだけど、それでも浮かび上がるのは生の喜びであり、肯定だ。

人の弱さをこんなにも描写しながら、どうしてこんなにも温もりを感じるのだろう。

そんな心地よい余韻がずっと続いている。

それは一重に田村和子さんのあっけらかんとしたチャーミングな魅力を著者の橋口幸子さんがいつも優しく、時には無理だと思いながらも見つめ続けていたからかも知れない。

 

詩人田村隆一さんとその妻、田村和子さんの家の2階に夫婦で暮らすことになった著者の橋口幸子さん。

橋口さんのスケッチはその間借りするための面接があった1980年1月から始まる。

橋口さんは二人の男性との恋に揺れながら、人には縛られず、喜びも悲しみも正面から向き合う田村和子さんの生きる力を淡々と描写していく。

僕が知るはずのない田村和子さんの笑い声が聞こえてくるようで、皆が暮らしたその家が目に浮かぶようで、その描写力がまたこの本を素晴らしいものにしているのは言うまでもない。

 

僕が生まれたのは1980年1月で、そのことが余計に自分に取って感慨深いものにしている。

全く脈絡のないように聞こえるかも知れないけれど、生きててよかった、まだまだ生きて行こうと思った。

本当に素晴らしい本に出会えた。

 

 

いちべついらい 田村和子さんのこと

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2015.06.06

父と娘のささやかな日々。 黒田三郎 / 小さなユリと

ある日夏葉社の島田さんからメールで案内が届いて、そのメールにはこんな詩が載せてあった。

———————-

「ハヤクココキッテヨー オトー」

「ハヤクー」

 

かんしゃくもちのおやじが怒鳴る

「自分でしなさい 自分でェ」

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かんしゃくもちの娘がやりかえす

「ヨッパライ グズ ジジイ」

おやじが怒って娘のお尻をたたく

小さなユリが泣く

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大きな大きな声で泣く

 

それから

やがて

しずかで美しい時間が

やってくる

おやじは素直にやさしくなる

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小さなユリも素直にやさしくなる

食卓に向かい合ってふたりすわる

———————-

夏葉社さんが復刊される本は「昔日の客」をはじめ間違いないので、最初から注文するつもりでいたけれど、この詩には早速参ってしまった。

私事ながら僕にも小さな娘がいるので、この私詩を微笑みながら一気に読んでしまったのです。

そんな日々が12篇入った小さな詩集。装画は「小さなユリ」が書いたもの。

この詩集や詩人についての背景をエッセイストの萩原魚雷さんが素晴らしい文章にされ、巻末に小さな手紙のように添えられています。

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そしてその手紙には酔っぱらいおやじと小さなユリが手を繋いで歩いている写真が印刷されています。

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夏葉社さんが完全復刻された1960年刊行の歴史的な詩集。是非手に取ってその紙の手触り、言葉の温度を感じ取って頂きたいのです。

僕はこれから何度この本を読み返すことになるのか、それは娘の成長を見ていくようです。

 

 

 

小さなユリと

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2015.06.06

少しずれた別の世界 松井啓子 / くだもののにおいのする日

どこからかボールがポンと頭に当たって、振り向いたけれど、そのボールはどこにも見当たらない。

そんな不思議な詩集です。

初めに「それではこれは何ですか」という詩があって、あれれ、何だこれは、え、そうなの?という感じでひっくり返ってしまって、そしてすっかりこの詩集に夢中になってしまいました。

 

それではあなたは何ですか

もちろんわたしはりんごです

お皿もフォークもりんごです

あなたも もうじきりんごです

 

不思議です。難しい言葉は何も使っていないのに、何か複雑な間違った扉を開いてしまったみたいで、別の世界に引きずり込まれる感覚です。

著者の松井啓子さんが本の帯に一言載せてらっしゃいます。

「あの頃、この世とそっくりで少しずれた別の世界、について私は考えていたと思うのですが、実は、今もその世界について考えています」

本書は1980年5月21日に刊行されたものをゆめある舎さんが新装復刊されました。

沙羅さんの美しい挿画、マットな感じの黒にくだものが並べられた装丁も本当に素晴らしく、bbbお薦めの一冊です。

夢中になってしまうのは「少しずれた別の世界」に知らない自分が知らず知らず惹かれているのか、行ってみたいのか。どうなんでしょう。

 

くだもののにおいのする日

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