本とわたしを離さないで

本のこと、お店のこと、日々のこと

2017.08.15ブログ

blackbird からの手紙 3 2017.8.15

真夏の昨日、陽が沈んで、真っ黒に日焼けしたあなたとお姫さまごっこをした時にね、(僕はもちろん王子様)

「踊りましょう」とあなたが言ったんだよ。

僕は疲れてたけどあなたが満足するまで二人で手を取り合って踊ったよ。畳の上で。

あなたは真剣で、一切笑わずに、お姫様になりきっていて、汗を流しながら踊っていたよ。

僕はそれを見ていたら、疲れが吹っ飛んだよ。

それからね、売上がいいと悪いとか、じいちゃんはそろそろ逝ってしまうなとか、夏は電気代かさむなとか、

誰のための政治やねんとか、税金返せとか、読んでいない本がどんどん溜まっていくなとか、観たい映画があるなとか、

あなたとフェスに行きたいなとか、あの本仕入れるかどうしようかなとか、

そんなこと全部どうでもよくなってしまったよ。

ただただあなたを可愛い人だなあと思い、生まれてきてくれてありがとう、と思ったよ。

40近くなっても夏の夜は切なくなるんだなと思ったよ。

踊る姿をちゃんと目に焼き付けておこうと思ったよ。

今しか見られないからね。

来年の夏は初めての夏休みですね。

頑張って遊ぶ時間作ります。

 

 

2017.08.12お知らせ

8/20(日)17時閉店です

8/20(日)は都合により17時閉店となります。

ご了承ください。

 

 

2017.08.10イベント

『PLECO by kna plus』POP UP SHOP vol.2 8/23(水)~8/27(日) 土日は花店note同時オープン

image1 (32)

お待たせいたしました。

3月に開催にして大好評でした、

『PLECO by kna plus』POP UP SHOP vol.2を開催致します。

皆様のお声を頂戴し平日を含む開催、そして新色初公開の場となります。

『PLECO』はkna plusが生んだエコバッグ。

繊維産業が盛んな福井県にある金津繊維で織られています。

日本の伝統色に基づいた10を超えるカラー展開と伸縮するプリーツ、洗練されたデザインが特徴で、

エコバックとは言えファション性を十分に兼ね備えたバッグです。

MoMA(The Museum of Modern Art)のデザインストアカタログの表紙にも抜擢され海外での人気が高まっています。

 

また、前回に続き8/26(土)8/27(日)は花店noteとの同時開催です。

この機会をお見逃しなく!

image2 (27)

image3 (13) image1 (38)

2017.08.09ブログ

ロッテルダムの灯 / 庄野英二

あるお店の方にオススメして頂いた「ロッテルダムの灯/庄野英二」が大変面白かった。

弟の庄野潤三が好きでこれまでよく読んで来たけれど、恥ずかしながら庄野英二は読んだことがなかった。

「ロッテルダムの灯」は日中戦争、太平洋戦争を戦場で過ごした本人によるエッセイで、まえがきには「風にささいやいたものにすぎない」と記している。

戦争を題材にした小説のように劇的なドラマや修羅場が出てくるわけではない。

また、大変な苦しい思いをした、という痛切な出来事を語るわけでもない。

ただ現地で本人が見たもの、そして出会った人々についてありのままに語っている。

そこには敵や味方ではなく人間同士の交流が描かれている。

そして、とにかく花の名前をタイトルにした作品がたくさん出て来る。

そばの花、相思樹、うつぼかずら、マリーゴールド、カーネーション、椿、菜の花、サンパギータ、菊、カトレア、そしてバラ。

兵舎のあった豊橋、中国大陸、マレー半島、インドネシア、、それらの国々で見た花。

美しい花の思い出ばかりではないけれど、(そこには怒りや哀しみもあるが庄野さんはそれを軸には書いていない)

戦地にあっては悲惨な日常をふっと忘れせさてくれるものとして植物のその姿、香りが強く印象に残っていたのかも知れない。

それらの花にまつわる出来事が淡々と静物画のように綺麗な文体で描かれていて、戦時中の事とは思えない。

けれど、僕が戦時中の出来事の何を知っているというのだろう。

こういった本に出会う度に僕は何も知らないのだ、と痛感する。

 

「母のこと」という作品に中国で敵の一団に突撃するシーンがある。

敵の機関銃が雨あられと降ってくる中で突撃していく二十歳を過ぎたばかりの庄野青年は右肘に銃弾が命中し、

「生まれてから一度も経験したこともない、力とスピードと焼きただれるようなものが一緒になった強力な衝撃を受けて私の運動が停止させられてしまった」と書いている。

その時やられたと同時に頭をよぎったのは「母に叱られる」という観念だったらしい。いたずらを見つかった子どものような。

そしてその戦場でまわりの兵が戦死していくなか、庄野青年は日本へ搬送される。病院を見舞う母はもちろん叱るのではなく自分に責任を感じ「ごめんよ、かんにんしてよ」としきりに謝ったそうだ。

この本でほとんど唯一と言っていいほど臨場感のあるシーンだけれど、一つの真理が書かれているようで僕はまた自分の無知を恥じ、この本を何度も読み返そうと思うのだ。

 

※僕が買ったのは(ほとんど譲って頂いた)理論社の古い本ですが講談社文芸文庫からも出ています。

IMG_20170809_0001 eiji

 

 

2017.07.28展示

佐藤貢の立体作品と「旅行記」 2017/8/20まで(予定)

image2 (21)

image1 (26)

 

名古屋在住の芸術家、佐藤貢。

「彼の元へたどり着くゴミと呼ばれる廃棄物たちー佐藤貢はそれらを「漂流物」として拾い上げ、作品へと変換する」

大阪のギャラリー『iTohen』さんのご協力で佐藤貢さんの作品をお預かりし、店内の一部で展示しております。

また、佐藤さんの著作「旅行記」の販売をはじめ、「旅行記」からインスピレーションを受けた本の小さなフェアを同時開催致します。

旅、芸術、そして人生とは人間とは何なのか、深く問う本を並べてみました。

作品を見られる機会はなかなかございませんので是非見にいらしてください。

世界が、価値観が、全てひっくり返る様な衝撃を受ける「旅行記」

こちらからもお買い求め頂けます。

佐藤貢 / mitsugu sato
1971年生まれ。大阪芸術大学美術学科中退。1994年から中国よりアジア諸国、アメリカ、中南米諸国などを放浪する。帰国後、和歌山市へ移住。[漂流物]を用いて作家活動を再開。2005年初夏に公に向けた個展を大阪市北区にあるiTohenとPANTALOONの2会場で同時開催。この発表を皮切りに定期的な新作発表を行うようになる。
主な発表に東京渋谷区恵比寿南:lim Art、大阪府枚方市星ヶ丘:SEWING GALLERY、名古屋:コロンブックス、東京日本橋芽場町:森岡書店、名古屋:gallery feel art zeroにて開催。 ポジション2012名古屋発現代美術に招待出品(名古屋市美術館)など多数。現在、名古屋に在住。

image1 (25)