本とわたしを離さないで

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2024.02.21展示

会期延長 3/3(日)まで←2/3(土) – 2/25(日) ナナロク社の「詩と造本」展

※好評につき開催期間を延長致します。3月3日(日)まで。

歌集、グッズ、特典も補充いたします!

 

2020年、凄まじい動員を記録したナナロク社の「詩と造本」展、約3年半ぶり2回目の開催です。

今回は話題作を発行し続けているナナロク社の「歌集」を中心に展開します。

 

歌人と装丁家と出版社の協働で短歌を束ねて一冊の本にする。その制作過程のエピソードから紙の名前や造本のたくらみまで詳しくお伝えする展示です。

期間中、歌人の伊藤紺さんが2月7日の17時半から在廊予定です。岡野大嗣さんも時々来店されます。

 

特典、グッズのご案内

・ナナロク社歌集ご購入特典(店頭のみ)

歌集の造本についての情報がまとめられたポストカードセット(12枚入)

・店頭販売グッズ

短歌アクリルキーホルダー(木下龍也9種・岡野大嗣9種)

短歌焼印しおり(木下達也9種・岡野大嗣9種)

伊藤紺×脇田あすか「〜 Relay 〜」蛇腹ポストカード

(歌人の伊藤紺とデザイナーの脇田あすかの二人展「〜 Relay 〜」の会場でのみ販売されたグッズです。伊藤の短歌を見て、脇田が絵を描き、その絵を見て、伊藤が短歌を書く……といった3往復による作品が、6枚組の蛇腹ポストカードになりました。全2種です。ミシン目で切り離しても使え、繋がったまま飾るのもいい。)

 

2022.11.13展示

11/23-12/4 木下龍也『オールアラウンドユー 生活と花と短歌』展

歌人・木下龍也の第3歌集『オールアラウンドユー』(ナナロク社)の発売記念展を開催します。

『オールアラウンドユー』に収録された短歌、木下龍也さんの生活にある近しいものたちの写真、本人手書きの日記のような短い言葉を花とともに展示します。

歌集の帯にある本人撮影の一輪の芍薬から着想を得ました。

花を用意するのはblackbird books併設の花店note。

店頭ではカバーが5色ある今回の歌集を全てと透明の短歌キーホルダーも販売。※

展示期間中に木下さんの関連書籍をお買い上げの方には木下さんの写真を使ったオリジナルポストカードをお付け致します。※

木下さん在廊日は12月3日(土)15時から閉店までを予定。※

当店にて木下さんの関連書籍をお買い上げの方には在廊時間中にサイン(短歌)+お名前などもお入れします。

(当日までにご購入の方にはレシートをお渡しいたしますので当日お持ちください)

※12月3日、混み合った場合は入場制限を設ける場合がございます。出来る限り少人数(1,2名)でのご来店にご協力ください。

展示をゆっくりご覧になりたい方は17時以降をお勧めいたします。

※キーホルダーは店頭のみの販売。お取り置きや短歌の種類はお選び頂けません。ご了承ください。

※関連書籍

・オールアラウンドユー

・あなたのための短歌集

・天才による凡人のための短歌教室

・今日は誰にも愛されたかった

・玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ

・つむじ風、ここにあります

・きみを嫌いな奴はクズだよ

ポストカードは通販も対象です。

 

木下龍也『オールアラウンドユー 生活と花と短歌』展

11/23(水)〜 12/4(日)10:00-19:00

(期間中11/28は定休日)

blackbird books

大阪府豊中市寺内2-12-1 1F

 

 

 

2021.12.02展示

岡野大嗣第三歌集『音楽』展 A面 2021.12.8-19 B面 2022.1.7-16

「サイレンと犀」「たやすみなさい」(書肆侃侃房)に続く岡野大嗣の第三歌集「音楽」(ナナロク社)発売記念の展示を開催致します。

最初の2作はそれぞれ発売から7年、2年経ちますが今もロングセラーを続けており、その勢いは衰える気配がありません。

それを証明するように岡野さんの短歌によって初めて短歌に出会う人も少なくありません。

今回の「音楽」は近年詩と短歌の本に注力してきたナナロク社とタッグを組んでいます。岡野さんの創作の源にもなっている、音楽。

その音楽を表現する展示になります。

会期は年末(A面)と年始(B面)の二期で構成し、展示内容を一部入れ替えます。

メインの展示は歌集を紙面から壁面へと展開します。連作としての短歌の魅力を、新たなレイアウトや、木版への手描きなど、空間で見て読んで聴いて頂く試みです。

また岡野大嗣による朗読音声のダウンロード、岡野大嗣のコメント付き選書・選曲などの企画、そして本書の装丁画を手がけた佐々木美穂さんの原画を展示します。

細部まで岡野さんとナナロク社のこだわりが詰まった展示になります。

どうぞお楽しみに。

 

2019.10.15イベント

【受付終了】11/2(土)『あれからぼくたちは短歌を信じてこれたかな』岡野大嗣×木下龍也トークイベント

キャンンセル分の席も受付終了となりました。

 

急遽開催決定!

現在開催中の『たやすみなさい展 ~岡野大嗣の短歌と安福望の絵の展示~』の追加イベントです。

共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』(ナナロク社)でご存知の方も多いかと思います、岡野さんの盟友、東京で活動する歌人木下龍也さんの来阪に合わせ、お二人のトークイベントを開催することになりました。

お二人は五年前に都内の書店で『サラダ記念日を越えてゆけ』と題したトークイベントを開きました。

あれから五年後の短歌に対する気持ちや考えを対談形式でお聞きします。

 

『あれからぼくたちは短歌を信じてこれたかな』岡野大嗣×木下龍也トークイベント

トーク終了後サイン会予定

11/2(土)19:00~20:30

参加費:1500円

定員:先着25名様 →受付終了

ご予約・会場:blackbird books / 06-7173-9286 / info@blackbirdbooks.jp

イベント名、お名前、人数をお知らせください。

 

絵:安福望

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2019.10.08ブログ

岡野大嗣さんのこと

岡野さんにはblackbird booksがまだ小さなマンションの一室で週末だけ営業していた頃に出会った。

どうやって彼がお店のことを知ってくれたのかは分からない。

何を話したのかは覚えていないし、彼が何の本を買ったのかも思い出せない。

ただレジで会計を済ませると、彼は(今となってはいつものように)少し俯いて、眼鏡の奥から上目遣いでこちらを見て、

「短歌を書いているんです、良かったら読んでみて下さい」と恥ずかしそうに言って『サイレンと犀』を手渡されたのを覚えている。

僕はその頃短歌には全くの無知だったけれど、『サイレンと犀』を瞬時に『silent sigh』に変換して、この人は音楽が好きで僕と同年代なんだなと思った。

『silent sigh』は僕らが出会う10年ほど前にbadly drawn boyが出したシングルで僕は7インチを買ってしまうほどに聞き込んだ大好きな曲だった。(ヒュー・グラントが主演した「about a boy」の主題歌。何と言っても原作がニック・ホーンビィだ)

その本を手にした時には僕にとって彼はもう全く過去のアーティストになっていたけれど、懐かしいメロディーやセンチメンタルな歌詞を思い出して少し嬉しくなった。

そういうことがあってその歌集と岡野さんことは強く印象に残った。

岡野さんはそれから定期的にお店に足を運んでくれていて、お店でも短歌を少し置くようになったり、別の本でイベントに出て頂いたりと交流が今に至るまで続いている。

 

岡野さんの短歌やTwitterでの呟きを見て驚かされるのは幼稚とも取られかねない生命と風景への純粋な眼差しだ。

 

河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来る

ハミングのあれはユーミン お米研ぐ母に西日は深くとどいて

完全にとまったはずの地下鉄がちょっと動いてみんなよろける

もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね

うらがわのかなしみなんて知る由もないコインでも月でもないし

生きるべき命がそこにあることを示して浮かぶ夜光腕章

 

微笑ましい記憶やユーモアに繋がる一瞬の光景、生と死の間に横たわる疑問への純白な問い、それらを31文字で拾い集める。

彼は手のひらからこぼれ落ちる僅かな光も見落とさないように、無くさないように歩いているように見える。

お互いもう40になるけれどどうしてそんな眼差しを持ち続けることが出来るのだろう?

佐野元春の言葉を借りれば「ステキなことは ステキだと無邪気に笑える心」。

岡野さんはそういう心を持っていて、僕はそこに惹かれている。