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2016.02.21
初めて、自分で読んだ物語は何だったか。
記憶のフィルムをぐるぐると巻き戻してみるとそれは「エルマーのぼうけん」だった。
「ぐるんぱのようちえん」も強く記憶に残っているけれど、それは絵本ということでここでは除外。
エルマー3部作、「エルマーのぼうけん」「エルマーとりゅう」「エルマーと十六ぴきのりゅう」を夢中になって読んだのを覚えている。
オレンジ色の背表紙とわくわくするような挿絵もいつでも思い出せる。
古本屋をしていればいつかまた出会えるかも知れない(実家の本はいつの間にかどこかへ消えてしまった)、そんな淡い期待が現実となり、
たくさんの絵本と共に先日お売り頂いた。
荷物の中で見つけたときは思わず微笑んだ。
「エルマーのぼうけん」は少年が動物たちに捕まってしまったりゅうを助ける物語だ。
この本には少年を魅了するものが幾つもつめ込まれている。
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りゅう、ぼうけん、リュックサック、無人島、ジャングル、船、らいおん、とら、ごりら、、
エルマーは空を自由に飛んでみたいという希望を胸にりゅうを助けに一人、旅へ出る。
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勇気、ユーモア、好奇心、やさしさを持って。
そしてそれらは大人になった今でも仕事をしていく上で、生きていく上で、大切にしなければならないものだと、教えてくれる。
現代は「MY FATHER’S what does viagra do DRAGON」 1948年、NYのランダムハウスより刊行。日本では福音館から1963年に刊行されました。
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2015.12.27
僕が親友だと思っているIのこと。
Iとは大学の頃バイト先で知り合った。バイトはあるファーストフードの店でスタッフはほとんどが学生か主婦。
大まかに朝、昼、晩とシフトが分かれていて、僕は晩のシフトにいつも入っていた。必然的にそれぞれのシフトにグループが別れる。
Iは一つ年上でバイトの先輩だった。晩のシフトのグループでよく遊んでいる内に仲良くなった。
Iは飄々とした性格でたまにしかバイトに来ず、遅刻をするが仕事は器用にこなし、年上年下誰とでも分け隔てなく話し、サッカーと音楽が好きで、本を読み、お金に無頓着で、女の子にモテた。
そして彼は恋愛よりも友情を大切にする男だった。
僕がもっと年下だったなら、憧れの先輩に映ったかも知れない。
僕は学生の頃一人暮らししていたからIはほとんど毎日家に来るようなこともあった。
恋の話や将来の話もしたかも知れない。けれど何よりも残っているのは同じ時間を過ごした記憶だ。
ワンルームに篭もるタバコの臭い、取れたての免許で運転する日産マーチ、夜中のボーリング、幾つものライブ、、
ある夜中に、Iの運転するマーチで僕の家に向かっていたところへHという娘からIの携帯に連絡があって、帰れなくなったから送って欲しいと連絡があった。
Iは気前よく返事をし、Hを迎えに寄り道するがいいか、と僕に聞いた。構わない、と僕は答えた。
しかし心のなかではIを足に使うなとか、早く帰って寝たいな、と思っていた。
Hと僕は顔見知り程度で親しい間柄ではなかった。僕は面倒なので後部座席へ移り寝たふりをした。
やがて車はHを拾って走りだした。
Hは恐らく僕が眠っているのを確認し、確かこんなことを言った。
何故Y(僕)のような人と仲良くしているのか、愛想がなく、周りに興味がないように見えるし、冷たい人ではないのか。
恐らく彼女が言うことは正しかった。
僕は当時一人で生きているような気になって、高慢で、人見知りで、自分の円の外側を全く見ようとはしなかった。
Iはこう返した。
「Yは一番優しくてええ奴や。勘違いされやすいけどな」
その時の言葉を僕はいつも覚えている。僕は目をつぶってずっと寝たふりをしていた。
言葉はいつも僕らを暖かく励まし、冷たく傷つける。
今年も一年ありがとうございました。
今夜はIや仲間たちと忘年会です。
2015.12.20
読書についてよく考えます。読書の持つ有意義について。
関連のなさそうな話から始めると、よくお店の名前の意味は?と聞かれます。
意味はないのですが、ビートルズが好きで、「blackbird」いう曲があるんです、そこから頂戴しました、とお答えすることが多いです。
アコースティックギターで始まるシンプルな曲でポールらしい親しみのある美しいメロディが特徴です。
ビートルズという単語を出すと誰でも、間違いなく、100%、「分かった、この人は音楽が好きなんだ」という顔をされます。
(どんな顔か?試してみてください)
blackbird という曲をたとえ知らなくても、お店や私個人の背景を少しばかりでも掴んで頂いて、納得されます。
ビートルズという言葉のイメージの力強さを感じ取る瞬間です。もう存在しないものなのに。何故だろう。
ビートルズに「Penny Lane」という曲があります。”Penny Lane is in my ears and in my eyes” とポップなメロディが響きます。
blackbirdよりも有名でほとんどの人が聴いたことがあるのではないでしょうか。ベスト盤には必ず収録されます。
彼らの出身地であるリヴァプールにある「ペニーレイン通り」を懐かしんでこれもまたポールが創りました。
不思議なのは私がこの歌を口ずさむとき、耳にするとき、思い出すのは私が過ごした子どものころの「記憶」であり、「風景」です。そして時々ペニーレインってどんなところだろう、と想像してみたくなる。
ペニーレインはおろか、リヴァプールにもイギリスにすらも行ったことがないのに。
音楽の素晴らしさは、力強さは、ここにあります。少し話がそれますが童謡や唱歌、そして演歌がいつの時代にも歌い継がれるのは風景や記憶を歌っているからだと思います。
詩人の長田弘さんは著書「なつかしい時間」(岩波新書)の中で、こんなことを言っておられます。
「わたしたちは風景のなかで生き、そして暮らしています。—自分がそのなかで育てられた風景というものに助けられてわたしたちの経験、あるいは記憶はつくられています。わたしたちの文化もそうです。風景のない文化はありませんし、芸術というものをつねにささえてきたものは、風景を深く見つめる姿勢です」
読書もまた、記憶や風景を巡る旅です。これは過去を振り返ることとは少し違うと私は思っています。
長田さんの言葉をもう一度お借りします。
「読書というのは振り子です。たとえ古い本であっても、過去に、過ぎた時代の方に深くふれた分だけ、未来に深く振れてゆくのが、読書のちからです。そういう読書のちからを取り戻す。思い出す。あるいは、自分のなかに確かめる。そうした未来に振れていく読書のちからが、いまもほんとうはもとめられいるのではないでしょうか」
読書の意味を教えてくれた私の大切な言葉です。それは本屋を続けていきたい、という私の背中を押してくれる言葉でもあります。
2015.11.08
当店で今人気の本がある。
「微花」という本で20代の青年が2人で作っている。
植物図鑑と謳い、内容はというと花の写真と花の名前だけが添えられている。
その写真はただ町中に咲いている花がそのまま撮られている。家の庭、軒先、道ばた、公園、何気なく通りすぎている景色にその花は咲いている。
シンプルで美しい本だ。春、夏、と出て先日秋号が届いた。
2人はお店にも来てくれた。小さな本だけれど真剣に創っているのが伝わり、こちらも応援したくなる。
さて、その秋号の表紙が「紫苑/シオン」だった。
僕はその名前を知っていた。
僕の好きな漫画「MASTERキートン」の短編に出てくる。
保険調査員のキートンさんはシオンの咲くイタリアはナポリの小さな町である凶悪なマフィアと戦う判事と出会う。
判事は仲間を殺され、遂には妻の身体を奪われ、殺されながらも、そのマフィアを追い詰める。
マフィアは「早く殺せ、お前は結局復讐のために戦っている、俺達と同じだ」と迫られるが、生前の妻の言葉を思い出し、踏みとどまる。
「もし私が殺されるようなことがあれば復讐するのではなく墓前にただシオンの花を供えて下さい」と妻は言い残していた。
その強烈な物語を読んだおかげでシオンの名前はしっかりと僕の中に刻まれた。高校生の頃だった。
花の名前はどのようにして覚えるのだろう。
祖母は牡丹が好きだった。父は秋桜が好きで、妻はプロテアという花が好きだ。桔梗は中島みゆきの歌で知った。くるりの歌詞にも花が良く出てくる。
誰かがその花を好きだと言った記憶や刻まれる物語や口ずさむ歌の中で花の名前を覚えていく。
そんな記憶を一枚一枚重ねることも生きる喜びの一つだ。
2015.10.25
第2回関西蚤の市に出店致します。
12.5と12.6の二日間。9:00から16:00。
場所は阪神競馬場。(阪急 今津線「仁川駅」徒歩5分)
入場料は200円(競馬場入場料として)
150組を超える出店者、出演者。昨年は3万人を超える来場者でした。
年末の一大イベントです。
お待ちしております!
晴れますように。
※こちらのイベント出店のため、12/4-6まで店舗は休業致します。オンラインの発送業務も停止致します。何卒ご了承ください。
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