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2024.05.17展示
「パレードを見送る日々」
本棚を行く
そのパレードの足音は
花がひらくときの静けさで
呼びとめて聞くは
夜通し続く告白と
朝食前の祈りの言葉
坂を登り来る
子どもたちの声が
今日もパレードの列を
少しだけ乱す
去りゆくものを見送る
この平凡な日々が
いつまでも
いつまでも続けよと
黒い鳥が歌っている
.
2024年6月10日、blackbird booksは店舗を開いて10周年となります。
記念にbbb初期の頃から交流を続ける画家・絵本作家阿部海太の個展を開催します。
作品は本をテーマに全作描き下ろし。
また、bbbのために冒頭の詩を寄せて下さいました。
今は離れた土地に暮らす彼が、折に触れて見つめて来たお店の棚とお店に集まる声を想い創作してくれたことが伝わり、深い感動を覚えました。その感動を少しでも皆さまと分かち合いたいと思います。
この10年ですっかり増えた彼の絵本や関わった作品と共にお待ちしております。
最初の土日(共に午後から)と最終日に作家在廊予定です。
blackbird books 10周年記念
阿部海太 個展
『パレードを見送る日々』
2024.6/8(土)- 6/30(日)
10:00 – 19:00 (初日13:00スタート)
10,17,18,24 休
2024年4月、岐阜のとある里山に暮らす阿部海太の家を訪ねた。
理想のアトリエが出来たことを喜んでいた。
この場所から絵が生まれ、世に放たれていくことを思うと、神聖な場所のようにも思えてくる。
連れていった次女はこの部屋に入ることを嫌がった。
2022.02.23展示
絵を描くとき、この目に映っているものはそもそも何なのか。
どこまで遠く映るのか。映ったものに意味はあるのか。
目だけになって彷徨い歩くうちに、瞳は透けて、
やがてがらんどうになった。これらはそれからの絵と言葉。
(阿部海太)
blackbird booksではこれまで絵本出版記念展や所属レーベルKiteの展示など様々な形で阿部さんの絵に関わって参りました。
振り返ると個展・新作展として提示するのは初めてかも知れません。
空想と現実の間を独り歩んでいくような絵、そして近年bbbでも大きなテーマとしている「言葉」を展示します。
どうぞお楽しみに。
2020.11.20ブログ
阿部海太の絵本をどうやって売れば良いのか。
どうやって読者に届ければ良いのか、この数年悩んでいた。
絵本だから、と言って絵本コーナーに挿しておけば良いのか、いや彼は画家だから、と言って美術のコーナーに置いておけば良いのか。
それは違うような気がずっとしていて、中途半端な気持ちで仕入れても売れないだろうと悩んでいた。
けれど絵描きとしての彼を知る僕は何とか彼の絵をたくさんの人に見て欲しいと思っていた。
ギャラリーに足を運ばずとも、本になればその機会は増えるのだからその機会を逃す手はない。
本屋の僕はそのチャンスを活かすことが出来るのだから、本当は積極的に売っていきたい。
油絵で幾重にも塗り込まれた圧倒的な色彩は誰も見たことのない原始の風景を思わせる。実際に彼の絵にはいつも動物が登場する。
人間と動物の境界がない世界。見たことはないけれど、懐かしい世界。人間の動物としての本能を揺さぶられる世界だ。
本を開くことで読者はその深淵な世界への入口に立つことになる。
その入口を提示することに本屋としての僕は二の足を踏んでいた。
その入口から先に進む人はどのような人だろうと想像出来なかった。
けれど、今回の『ぼくが ふえを ふいたら』を読んでその悩みは霧消した。
阿部海太の本は絵本であると同時に詩であり、音楽なのだと思った。
僕は絵本という体裁にこだわり過ぎていたのかも知れない。
本屋として、仕入れる本をどういう人が手に取るだろうと考えることは必要だが、そのことに縛られすぎていたのかも知れない。
まずは何よりも、本と向き合ってみる。
僕はこの絵本に書かれた小さな物語を紙に書き写してみる。
そこには一篇の詩が立ち上がり、音楽が鳴り響いていた。
そうすると本を手に取って読んでいる人の姿が自然と浮かんでくる。
子どもはもちろん読んでいるし、大人も読んでいる。
まとめて絵本を買う人はこの一冊もレジに持ってくる。
詩集と一緒に買う人もいるし、クレーの画集と一緒に買う人もいる。
絵本という枠に囚われず、読者を勝手に想定せず、僕のお店にただ本を求めてやってくる人々に正面から差し出して行こう。
この本に流れている風の音を聴きながら、虹の彩りを見ながら、そう決めた。
2019.05.16イベント
『あの日からの或る日の絵とことば 3.11と子どもの本の作家たち』
32人の作家があの日を考えながら描いた絵とエッセイ。東日本大震災から8年後に刊行された本書の原画展を開催致します。
作家たちがそれぞれにあの日と向き合い、記憶を辿り、絵を描き、言葉を紡ぎました。
絵を見て、本を開いて頂くことで、作家の皆さまとご来場の皆さまの記憶が重なる瞬間があれば幸いです。
展示予定作家(一部購入可)
・阿部海太・荒井良二・植田真・坂本千明・スズキコージ・nakaban・長谷川義史・ハダタカヒト・ミロコマチコ・村上慧・本秀康
今回の原画展開催に伴い、本書に参加している作家の阿部海太さん、植田真さん、そして編者の筒井大介さんのトークイベントを行います。
『あの日からの或る日の絵とことば』トークイベント
阿部海太+植田真+筒井大介
6/16(日)18:00~19:30
参加費:1500円
定員:20名様
ご予約・開場:blackbird books
06-7173-9286 / info@blackbirdbooks.jp お名前、人数をお知らせください。
●阿部海太(あべ・かいた)
1986年生まれ。本のインディペンデント・レーベル「Kite」所属。著書に『みち』(リトルモア)、『みずのこどもたち』(佼成出版社)、『めざめる』(あかね書房)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)。神戸在住。
●植田真(うえだ・まこと)
1973年生まれ。絵本・装画・音楽など幅広く活動。主な作品に『おやすみのあお』(佼成出版社)、『ぼくはかわです』(WAVE出版)、『えのないえほん』(作・斉藤倫 講談社)、『リスのたんじょうび』(著・トーン・テレヘン 訳・野坂悦子 偕成社)、ほか多数。
●筒井大介(つつい・だいすけ)
1978年大阪府生まれ。絵本編集者。担当した絵本に『うちゅうたまご』(荒井良二)、『ブラッキンダー』(スズキコージ)、『オオカミがとぶひ』『オレときいろ』(ミロコマチコ)、『ネコヅメのよる』(町田尚子)、『えとえとがっせん』(石黒亜矢子)、『やましたくんはしゃべらない』(作・山下賢二 絵・中田いくみ)他多数。水曜えほん塾、nowaki 絵本ワークショップ主宰。
2018.05.07展示
誰にも言ったことのない、とはいえ、さして言うほどのことでもない特技がある。
それは目を閉じると「歩いて」しまうということ。
「歩いて」しまえば、あたかも本当にその場所に居るかのように映像が現れる。
その、すべての映像は過去の何処かで目にしたものなのだろう。
絵本や図鑑、映画、旅の景色や日常で。
それでもなお説明不可能としか言いようのない見知らぬ景色が次々と立ち現れるのは何故だろう。
それは記憶と嗜好の掛け算で生じるものと、説明できるかも知れない。
けれどもう一つ。
外的要因として、僕はそれはひょっとしたら風のおかげではないか、と思っている。
(絵の制作記-nakaban)
blackbird booksでは『窓から見える世界の風』nakaban原画展を開催致します。
nakabanさんの絵を飾ることは当店の夢の一つでした。
お店にどんな風が吹くのでしょう。
「窓から見える世界の風」
世界中で人々は、風に親愛や畏敬の念を込め、古くから様々な名前をつけてきた。気象学者が集めた、世界の50の風を巡る旅。
著者は気候・気象学の大学講師、福島あずささん、そして「窓から見える風」を描いているのは画家のnakabanさん。
風と一緒に世界中を旅することが出来る素晴らしい一冊です。
※こちらのトークイベントは満席につき受付終了となりました。
たくさんのお問い合わせありがとうございました。
また、同シリーズの「はじまりが見える世界の神話」の原画を手がけ、先に当店にて展示を開いた阿部海太さんとのトークイベントを開催致します。
6/2.土
「もしも絵が言葉であるとしたら」
nakaban × 阿部海太
18:00~19:30 参加費1500円
ご予約は店頭、メール、お電話にて承ります
blackbird books | 06-7173-9286 | info@blackbirdbooks.jp お名前、ご連絡先、人数をお知らせください
協力 創元社 | デザイン 角谷慶 (Su-)
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