本とわたしを離さないで

2024.05.17展示

6/8-6/30 blackbird books10周年記念 阿部海太個展『パレードを見送る日々』

「パレードを見送る日々」

本棚を行く
そのパレードの足音は
花がひらくときの静けさで

呼びとめて聞くは
夜通し続く告白と
朝食前の祈りの言葉

坂を登り来る
子どもたちの声が
今日もパレードの列を
少しだけ乱す

去りゆくものを見送る
この平凡な日々が
いつまでも 
いつまでも続けよと
黒い鳥が歌っている

.

2024年6月10日、blackbird booksは店舗を開いて10周年となります。

記念にbbb初期の頃から交流を続ける画家・絵本作家阿部海太の個展を開催します。

作品は本をテーマに全作描き下ろし。

また、bbbのために冒頭の詩を寄せて下さいました。

今は離れた土地に暮らす彼が、折に触れて見つめて来たお店の棚とお店に集まる声を想い創作してくれたことが伝わり、深い感動を覚えました。その感動を少しでも皆さまと分かち合いたいと思います。

この10年ですっかり増えた彼の絵本や関わった作品と共にお待ちしております。

 

最初の土日(共に午後から)と最終日に作家在廊予定です。

 

blackbird books 10周年記念

阿部海太 個展

『パレードを見送る日々』

2024.6/8(土)- 6/30(日)

10:00 – 19:00 (初日13:00スタート)

10,17,18,24 休

 

阿部海太
画家・絵本作家。1986年生まれ。神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。書籍の装画なども手掛ける。『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞。その他著書に『みち』(リトルモア)、『みずのこどもたち』(佼成出版社)、『めざめる』(あかね書房)、『きょうも かぜは いろづいて』(岩波書店)、共著に『はじまりが見える世界の神話』(創元社)、『えほん遠野物語 しびと』(汐文社)、『ほっきょくでうしをうつ』(岩崎書店)、『わたしはきめた 日本の憲法 最初の話』(ほるぷ出版)など。2022年夏より岐阜県郡上市在住。山の麓で絵を描きつつ暮らしている。

 

2024年4月、岐阜のとある里山に暮らす阿部海太の家を訪ねた。

理想のアトリエが出来たことを喜んでいた。

この場所から絵が生まれ、世に放たれていくことを思うと、神聖な場所のようにも思えてくる。

連れていった次女はこの部屋に入ることを嫌がった。