本とわたしを離さないで

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2022.12.27

2023.1/17〜2/5『山田和幸作品展 PIECES』

都内を拠点に活動する写真家山田和幸の個展を開催します。

フリーランスのカメラマンとして活動する一方で自身の作品を制作している山田は写真や本の概念を覆す(破壊する)試みを続けています。紙や写真などの素材を染め、焼き、汚し、傷をつけ、劣化させ、さらにコラージュを加え作成する。発想に風穴を開けたい、予期せぬものに出合いたいという衝動が制作の原動力になっています。

詳細は下記ステイトメントをご確認ください。

個展では自ら製作したアートブック『PIECES』 (edition 20)と原画の展示販売を行います。

是非観にいらしてください。

 

“ステイトメント”

制作をはじめたきっかけが2つあります。

1つは仕事で求められる綺麗な写真に飽きたこと。

もう1つは、新しく試みようとする時、それまでの経験が行く手を阻むと感じたこと。

自身の枠の外に出たいという願望から、一番初めに作ったものは手製の写真集。

写真や紙を焼いたり、汚したり自身の手を使ってダメージを与える行為は

パターンや発想に風穴を開けたいという意識の現れでした。

しばらく作り続けていると、もっと自由になりたいという欲求が生まれ、

落書きやコラージュ、針金や釘を使った現作品に至ります。

制作する際、はじめから古いものは使わず、

新品の状態から染め、汚し、傷、劣化など、素材に経験をさせてから、

手を動かしバランスと表情を探っていきます。

経験がそれまでとは違う表情を生み、失敗やミスの上に制作を重ねるのは、

いつかの経験が今に繋がっているという投影であるかもしれません。

私はまだ旅の途中で、予期せぬものに出会いたいという興味を持ち続けています。

アートブック「PIECES」は1冊を通してテーマがあるものではなく、

写真を使った作品と平面作品を集めたものになります。

11ページごとにそれぞれ手を加えており、1点ものの本(edition20)です。

今回、アートブックと原本となる作品を10数点展示します。

 

『山田和幸作品展 PIECES』

1/17-2/5 @blackbird books

(1/23、1/30休み)

2022.11.25

2022.12/10(土) – 25(日) 『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』タダジュン版画展

blackbird booksでは初となる、そして念願でもありましたイラストレーター・版画家タダジュンさんの版画展を開催します。

映画『スモーク』の原作としても知られ、2021年にスイッチ・パブリッシングより刊行された『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』(著:ポール・オースター/訳:柴田元幸)に描き下ろした挿絵版画を展示販売いたします。

店頭では挿絵版画の他、オリジナルミニ版画、版画シート、オーギー・レンのポスター、ポストカード、zineなどを販売しております。

また、会期中に店頭にて本書をご購入いただいた方には抽選でミニ版画をクリスマスプレゼント!

版画作品はお正月期間中に通販も予定しております。こちらは追ってご案内致します。

 

 

profile

タダジュン Jun Tada

イラストレーター・版画家  東京在住
版画の技法を使い、書籍や雑誌のイラストレーションを中心に活動中

主な仕事に、『犯罪』『罪悪』『カールの降誕祭』フェルディナント・フォン・シーラッハ/酒寄進一 訳(東京創元社)、
『ガラスの街』ポール・オースター/柴田元幸 訳(新潮社)、『後藤明生コレクション』全5巻(国書刊行会)、
雑誌『MONKEY』(スイッチ・パブリッシング)のイラストレーションなど。

 

クリスマスプレゼント(抽選)の本型版画

2022.11.13

11/23-12/4 木下龍也『オールアラウンドユー 生活と花と短歌』展

歌人・木下龍也の第3歌集『オールアラウンドユー』(ナナロク社)の発売記念展を開催します。

『オールアラウンドユー』に収録された短歌、木下龍也さんの生活にある近しいものたちの写真、本人手書きの日記のような短い言葉を花とともに展示します。

歌集の帯にある本人撮影の一輪の芍薬から着想を得ました。

花を用意するのはblackbird books併設の花店note。

店頭ではカバーが5色ある今回の歌集を全てと透明の短歌キーホルダーも販売。※

展示期間中に木下さんの関連書籍をお買い上げの方には木下さんの写真を使ったオリジナルポストカードをお付け致します。※

木下さん在廊日は12月3日(土)15時から閉店までを予定。※

当店にて木下さんの関連書籍をお買い上げの方には在廊時間中にサイン(短歌)+お名前などもお入れします。

(当日までにご購入の方にはレシートをお渡しいたしますので当日お持ちください)

※12月3日、混み合った場合は入場制限を設ける場合がございます。出来る限り少人数(1,2名)でのご来店にご協力ください。

展示をゆっくりご覧になりたい方は17時以降をお勧めいたします。

※キーホルダーは店頭のみの販売。お取り置きや短歌の種類はお選び頂けません。ご了承ください。

※関連書籍

・オールアラウンドユー

・あなたのための短歌集

・天才による凡人のための短歌教室

・今日は誰にも愛されたかった

・玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ

・つむじ風、ここにあります

・きみを嫌いな奴はクズだよ

ポストカードは通販も対象です。

 

木下龍也『オールアラウンドユー 生活と花と短歌』展

11/23(水)〜 12/4(日)10:00-19:00

(期間中11/28は定休日)

blackbird books

大阪府豊中市寺内2-12-1 1F

 

 

 

2022.10.28

2022.11.8 – 11.20 押尾健太郎「PLOUGH YARD 517」出版記念展

都内を中心に雑誌・広告等で活躍する写真家押尾健太郎による初の写真集「PLOUGH YARD 517」出版記念展を開催します。

2002年、経験を積むためにロンドンに留学していた押尾は、馴染みのパブで風変わりな格好の中年男性に出会います。
それがメルヴィンです。離婚やトラブルで財産や住処を失い消沈しながらも、奔放に生きるメルヴィンとの邂逅は押尾のロンドン生活に刺激を与え、彼と過ごした日々を押尾は写真におさめていきました。
住んでいたキャンピングカーの炎上、ホームレスになっても生命力たくましい日常、そしてメルヴィンがずっと心に留めていたウェールズの灯台へのトリップ….。
まだ駆け出しのフォトグラファーであった若き日の押尾が、異国の地で出会ったメルヴィンという稀有な被写体と正面から向き合い、漂うように生きる彼の姿を、まるでロードムービーのように切り取っています。
*書名は、メルヴィンが寝床にしていた住所に由来しています。

押尾健太郎 / Kentaro Oshio

千葉県生まれ

2000年 スタジオアシスタントを経て渡英
2003年 帰国後 フリーランスとなる。
雑誌、広告、WEBを中心に活動中。

Instagram:@kentarooshio

2022.08.17

2022.9/7-9/25 鈴木萌展「SOKOHI 底翳」

©︎chose commune

アルル国際写真祭ダミーブック賞(LUMA Recontres Dummy Book Award Arles)2021受賞、カッセルダミーアワード(Kassel Dummy Award) 2020特別賞受賞を受け、今年の7月にパリのchose communeから出版された鈴木萌の写真集「SOKOHI 底翳」

本作の発表を記念した展覧会を開催します。写真集は発売後間もないですが、非常に好評です。国内での数少ない展示の機会です。是非お立ち寄りくださいませ。

作品ステートメント:

「底翳」(そこひ)とは、底にある翳、眼球内に潜む翳、つまり何らかの眼内部の異常により視覚障害をきたす目の疾患の俗称として江戸時代から使われてきた。そのうち、緑内障にあたる言葉は「青底翳」(あおそこひ)と呼ばれた。末期には角膜が地中海のように青緑色のようになり失明するという、ヒポクラテスの記述に語源があるとの一説もある。そうした長い歴史にも関わらず、現代の視覚障害の一番多い原因疾患である緑内障の病態は、その原因や治療法にいたるまでいまだ完全な解明がされていない。16年前に緑内障の診断を受けた父の場合も、点眼薬や手術による眼圧のコントロールの甲斐無く、視野狭窄がゆっくりと、そして確実に進行している。昨日よりも少し暗い朝に起き、物を取ろうとする手は宙を泳ぐ。
父はかつて、ありとあらゆるものをノートに書き留める人だった。旅先で写真もたくさん撮った。30年以上にもわたる編集者としてのキャリアは、常に膨大な本と文字に囲まれていた。そんなかつての生き方とは裏腹に、緑内障により少しずつ視力を失いつつある今は、書くことも読むことももはやその意味をなさなくなってしまった。
視野が狭くなっていく自分の境地を、静かに淡々と受け入れているかのように見える父はその一方で、差し込んでくる光を離すまい、失うまい、と必死で病の進行に抗う一面をふとした瞬間に外に出すことがある。だが自分の周囲に壁をしっかりと築き、父が見えないものが見えて、父が見ているものを同じようには見ることができない他者からは単なる同情や共感を簡単には寄せつけない。
その壁の隙間からそっと覗くと、そこには、底に潜む翳の淵を時には頼りなく、しかし時には新しい認知を求める確かな足どりで、出たり入ったりする父の姿が見え隠れする。父の失明への旅は、まるで翳と光の間を行ったり来たりする波のように進んでいる。

鈴木萌 

東京都出身。London College of Communications, University of the Arts London卒業。2011年日本への帰国を機に製本技術を取得し、ヴィジュアルアーティストとしての活動を開始する。写真/アーカイブ/イラスト/製本技法/インスタレーションを織り交ぜながら、障害や共同体の歴史、環境汚染、開発などにより変化する記憶や認知に関するナラティブを表現している。2020年に発表した作品「底翳(SOKOHI)」は東京のReminders Photography Stronghold を皮切りに、北アイルランド、シンガポール、京都、オーストラリアなどで展示された。同時に自主出版されたアーティストブック「底翳」はフランスのLuma Rencontres Dummy Book Award 2021などを受賞し、2022年にフランスの出版社より普及版が出版されたばかり。

 

©︎Moe Suzuki