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2016.12.30ブログ
谷川俊太郎さんの「生きる」という詩がある。
初めて読んだのは大学を卒業して働き始めたころだったか。ある女性に教えてもらった。
今まで真剣に詩を読んだことのなかった僕はたった一行でこんなにも心を激しく動かし、かつ穏やかにするものなのかと感動した。
以来、その詩が入った詩集を買い求め、本はいつもすぐ手に取れるように本棚に収まっている。
詩はふと思い出した時にさっと読めるのがいい。
谷川さん、「生きる」を一部引用させて頂きます。
生きる
生きているということ
いま生きているといこと
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと或るメロディを思い出すということ
くしゃみすること
あなたと手をつなぐこと
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生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと
生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたの手のぬくみ
いのちということ
先日、師走に入って寒さが厳しくなり始めた頃、友人夫妻に女の子が生まれた。
毎日が忙しく、生きるのが困難で、世界が混乱しようと、子どもが生まれたという知らせはいつも温かい。
人の体温ほど生の実感に触れるものはなく、それは幸せと結びつくものかも知れない。
誕生した女の子の名前は「ぬくみ」と言うそうだ。
2015.06.06ブログ
ある日夏葉社の島田さんからメールで案内が届いて、そのメールにはこんな詩が載せてあった。
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「ハヤクココキッテヨー オトー」
「ハヤクー」
かんしゃくもちのおやじが怒鳴る
「自分でしなさい 自分でェ」
かんしゃくもちの娘がやりかえす
「ヨッパライ グズ ジジイ」
おやじが怒って娘のお尻をたたく
小さなユリが泣く
大きな大きな声で泣く
それから
やがて
しずかで美しい時間が
やってくる
おやじは素直にやさしくなる
小さなユリも素直にやさしくなる
食卓に向かい合ってふたりすわる
———————-
夏葉社さんが復刊される本は「昔日の客」をはじめ間違いないので、最初から注文するつもりでいたけれど、この詩には早速参ってしまった。
私事ながら僕にも小さな娘がいるので、この私詩を微笑みながら一気に読んでしまったのです。
そんな日々が12篇入った小さな詩集。装画は「小さなユリ」が書いたもの。
この詩集や詩人についての背景をエッセイストの萩原魚雷さんが素晴らしい文章にされ、巻末に小さな手紙のように添えられています。
そしてその手紙には酔っぱらいおやじと小さなユリが手を繋いで歩いている写真が印刷されています。
夏葉社さんが完全復刻された1960年刊行の歴史的な詩集。是非手に取ってその紙の手触り、言葉の温度を感じ取って頂きたいのです。
僕はこれから何度この本を読み返すことになるのか、それは娘の成長を見ていくようです。
小さなユリと
2015.06.06ブログ
どこからかボールがポンと頭に当たって、振り向いたけれど、そのボールはどこにも見当たらない。
そんな不思議な詩集です。
初めに「それではこれは何ですか」という詩があって、あれれ、何だこれは、え、そうなの?という感じでひっくり返ってしまって、そしてすっかりこの詩集に夢中になってしまいました。
それではあなたは何ですか
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efectos secundarios de viagra http://viagrasildenafil-online.com/ viagra ireland online web pharmacy rx cialisもちろんわたしはりんごです
お皿もフォークもりんごです
あなたも もうじきりんごです
不思議です。難しい言葉は何も使っていないのに、何か複雑な間違った扉を開いてしまったみたいで、別の世界に引きずり込まれる感覚です。
著者の松井啓子さんが本の帯に一言載せてらっしゃいます。
「あの頃、この世とそっくりで少しずれた別の世界、について私は考えていたと思うのですが、実は、今もその世界について考えています」
本書は1980年5月21日に刊行されたものをゆめある舎さんが新装復刊されました。
沙羅さんの美しい挿画、マットな感じの黒にくだものが並べられた装丁も本当に素晴らしく、bbbお薦めの一冊です。
夢中になってしまうのは「少しずれた別の世界」に知らない自分が知らず知らず惹かれているのか、行ってみたいのか。どうなんでしょう。
くだもののにおいのする日
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