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2025.08.11展示
”歌人の岡野大嗣が生まれ育った大阪の街を、写真家の佐内正史と巡った夏の記憶”
『あなたに犬がそばにいた夏 短歌:岡野大嗣 写真:佐内正史』(ナナロク社)の刊行を記念した写真と短歌の展示を開催します。
岡野さんの展示は『音楽』以来4年半ぶり、佐内さんの写真を飾るのは初となります。
岡野さんの歌集や佐内さんの写真集のほか、展示用の新作グッズを販売します。
ご来店お待ちしております。
以下、ナナロク社より
本書の舞台となった大阪での初めての展示が決定しました!
撮影中に佐内と岡野が訪れた書店blackbird、そのまわりの風景は本書でも多数収録されています。
本展では佐内正史の手焼き写真4点の展示販売、岡野大嗣の短歌と書き下ろし作品などなど、本書に描かれる夏の日が会場にひろがります。
【作家在廊日】
・佐内正史 9/6 14-17時
・岡野大嗣 9/15,28
【展示物】
・岡野大嗣さん書き下ろし手書きエッセイ
・短歌と写真のコラージュポスター
・佐内さんの手焼き写真4点 購入可
※blackbird books 展の特別版として、書籍未収録のblackbird店内写真のプリント作品が入ります。
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【展示販売】
TANKA TANG Tシャツ
ポストカードセット
箔押し短歌栞セット
【展示期間】
2025年9月6日(土)ー 2025年9月28日(日)
営業時間:10時 – 19時
会期中休み:9月8日(月)、16日(火)、22日(月)
【プロフィール】
岡野大嗣(おかの・だいじ)
歌人。2014年、第1歌集『サイレンと犀』を刊行。2018年に木下龍也との共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』、2019年に谷川俊太郎と木下龍也との共著『今日は誰にも愛されたかった』、第2歌集『たやすみなさい』、2021年に第3歌集『音楽』、2023年に第4歌集『うれしい近況』、2024年に短歌と散文集『うたたねの地図 百年の夏休み』、作品集『時の辞典 365日の短歌』を刊行。
佐内正史(さない・まさふみ)
写真家。1997年、写真集『生きている』でデビュー。2002年『MAP』で第28回木村伊兵衛写真賞受賞。2008年に独自レーベル「対照」を立ち上げる。近著は『写真の体毛』『静岡詩』『写真がいってかえってきた』。曽我部恵一とのユニット “擬態屋” では、詩と朗読を担当。境界線はない。
2024.02.21展示
※好評につき開催期間を延長致します。3月3日(日)まで。
歌集、グッズ、特典も補充いたします!
2020年、凄まじい動員を記録したナナロク社の「詩と造本」展、約3年半ぶり2回目の開催です。
今回は話題作を発行し続けているナナロク社の「歌集」を中心に展開します。
歌人と装丁家と出版社の協働で短歌を束ねて一冊の本にする。その制作過程のエピソードから紙の名前や造本のたくらみまで詳しくお伝えする展示です。
期間中、歌人の伊藤紺さんが2月7日の17時半から在廊予定です。岡野大嗣さんも時々来店されます。
特典、グッズのご案内
・ナナロク社歌集ご購入特典(店頭のみ)
歌集の造本についての情報がまとめられたポストカードセット(12枚入)
・店頭販売グッズ
短歌アクリルキーホルダー(木下龍也9種・岡野大嗣9種)
短歌焼印しおり(木下達也9種・岡野大嗣9種)
伊藤紺×脇田あすか「〜 Relay 〜」蛇腹ポストカード
(歌人の伊藤紺とデザイナーの脇田あすかの二人展「〜 Relay 〜」の会場でのみ販売されたグッズです。伊藤の短歌を見て、脇田が絵を描き、その絵を見て、伊藤が短歌を書く……といった3往復による作品が、6枚組の蛇腹ポストカードになりました。全2種です。ミシン目で切り離しても使え、繋がったまま飾るのもいい。)
2021.12.02展示
「サイレンと犀」「たやすみなさい」(書肆侃侃房)に続く岡野大嗣の第三歌集「音楽」(ナナロク社)発売記念の展示を開催致します。
最初の2作はそれぞれ発売から7年、2年経ちますが今もロングセラーを続けており、その勢いは衰える気配がありません。
それを証明するように岡野さんの短歌によって初めて短歌に出会う人も少なくありません。
今回の「音楽」は近年詩と短歌の本に注力してきたナナロク社とタッグを組んでいます。岡野さんの創作の源にもなっている、音楽。
その音楽を表現する展示になります。
会期は年末(A面)と年始(B面)の二期で構成し、展示内容を一部入れ替えます。
メインの展示は歌集を紙面から壁面へと展開します。連作としての短歌の魅力を、新たなレイアウトや、木版への手描きなど、空間で見て読んで聴いて頂く試みです。
また岡野大嗣による朗読音声のダウンロード、岡野大嗣のコメント付き選書・選曲などの企画、そして本書の装丁画を手がけた佐々木美穂さんの原画を展示します。
細部まで岡野さんとナナロク社のこだわりが詰まった展示になります。
どうぞお楽しみに。
2019.10.15イベント
キャンンセル分の席も受付終了となりました。
急遽開催決定!
現在開催中の『たやすみなさい展 ~岡野大嗣の短歌と安福望の絵の展示~』の追加イベントです。
共著『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』(ナナロク社)でご存知の方も多いかと思います、岡野さんの盟友、東京で活動する歌人木下龍也さんの来阪に合わせ、お二人のトークイベントを開催することになりました。
お二人は五年前に都内の書店で『サラダ記念日を越えてゆけ』と題したトークイベントを開きました。
あれから五年後の短歌に対する気持ちや考えを対談形式でお聞きします。
『あれからぼくたちは短歌を信じてこれたかな』岡野大嗣×木下龍也トークイベント
トーク終了後サイン会予定
11/2(土)19:00~20:30
参加費:1500円
定員:先着25名様 →受付終了
ご予約・会場:blackbird books / 06-7173-9286 / info@blackbirdbooks.jp
イベント名、お名前、人数をお知らせください。
絵:安福望
2019.10.08ブログ
岡野さんにはblackbird booksがまだ小さなマンションの一室で週末だけ営業していた頃に出会った。
どうやって彼がお店のことを知ってくれたのかは分からない。
何を話したのかは覚えていないし、彼が何の本を買ったのかも思い出せない。
ただレジで会計を済ませると、彼は(今となってはいつものように)少し俯いて、眼鏡の奥から上目遣いでこちらを見て、
「短歌を書いているんです、良かったら読んでみて下さい」と恥ずかしそうに言って『サイレンと犀』を手渡されたのを覚えている。
僕はその頃短歌には全くの無知だったけれど、『サイレンと犀』を瞬時に『silent sigh』に変換して、この人は音楽が好きで僕と同年代なんだなと思った。
『silent sigh』は僕らが出会う10年ほど前にbadly drawn boyが出したシングルで僕は7インチを買ってしまうほどに聞き込んだ大好きな曲だった。(ヒュー・グラントが主演した「about a boy」の主題歌。何と言っても原作がニック・ホーンビィだ)
その本を手にした時には僕にとって彼はもう全く過去のアーティストになっていたけれど、懐かしいメロディーやセンチメンタルな歌詞を思い出して少し嬉しくなった。
そういうことがあってその歌集と岡野さんことは強く印象に残った。
岡野さんはそれから定期的にお店に足を運んでくれていて、お店でも短歌を少し置くようになったり、別の本でイベントに出て頂いたりと交流が今に至るまで続いている。
岡野さんの短歌やTwitterでの呟きを見て驚かされるのは幼稚とも取られかねない生命と風景への純粋な眼差しだ。
河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来る
ハミングのあれはユーミン お米研ぐ母に西日は深くとどいて
完全にとまったはずの地下鉄がちょっと動いてみんなよろける
もう声は思い出せない でも確か 誕生日たしか昨日だったね
うらがわのかなしみなんて知る由もないコインでも月でもないし
生きるべき命がそこにあることを示して浮かぶ夜光腕章
微笑ましい記憶やユーモアに繋がる一瞬の光景、生と死の間に横たわる疑問への純白な問い、それらを31文字で拾い集める。
彼は手のひらからこぼれ落ちる僅かな光も見落とさないように、無くさないように歩いているように見える。
お互いもう40になるけれどどうしてそんな眼差しを持ち続けることが出来るのだろう?
佐野元春の言葉を借りれば「ステキなことは ステキだと無邪気に笑える心」。
岡野さんはそういう心を持っていて、僕はそこに惹かれている。
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