本とわたしを離さないで

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2018.05.06イベント

【受付終了】6/2.sat nakaban × 阿部海太 「もしも絵が言葉であるとしたら」

※満席につき受付終了となりました。

たくさんのお問い合わせありがとうございました。

 

「世界を旅するイラストブックシリーズ」(創元社)より刊行された『窓から見える世界の風』と『はじまりが見える世界の神話』。

2冊の刊行を記念し、それぞれの絵を手掛けられた、阿部海太さんとnakabanさんの原画展を開催いたします。

 

『はじまりが見える 世界の神話』

阿部海太 原画展 5/8-5/27

『窓から見える世界の神話』

nakaban 原画展 5/29-6/17

 

原画展に伴い、お二人のトークイベントを開催することになりました。

絵描きとは何か。なぜ絵を描くのか。絵は何を表しているのか。

答えのない問を絵と言葉で考える。

そんなお二人の夢のような対談です。

 

トークイベント 6/2.土

「もしも絵が言葉であるとしたら」

nakaban × 阿部海太

18:00~19:30 参加費1500円 定員20名

ご予約は店頭、メール(info@blackbirdbooks.jp)、お電話(06-7173-9286)にて承ります。

お名前、ご連絡先、人数をお知らせください。

hajimari sekainokaze

 

 

 

2018.04.22展示

5/8.火~5/27.日『はじまりが見える 世界の神話』阿部海太 原画展

人は何故絵を描くのでしょう。

個人的な動機とは違う、何故遥か昔に人は絵を描き始めたのか、そして何故現代でも変わらず多くの人が絵を描き続けているのか、という漠然とした問い。

私はその答えのかけらを、神話の中から拾うことができると考えています。

-阿部海太「はじまりが見える 世界の神話」あとがきより

 

 

「世界を旅するイラストブックシリーズ」(創元社)より刊行された『窓から見える世界の風』と『はじまりが見える世界の神話』。

2冊の刊行を記念し、それぞれの絵を手掛けられた、阿部海太さんとnakabanさんの原画展を開催いたします。

 

まずは第一弾、『はじまりが見える世界の神話』阿部海太原画展。

5/8.火~5/27.日

この本は、遥か昔より、細部を失いながらも語り継がれてきた、「世界のはじまり」関する世界各地の20の創造神話を集めたものです。

天や大地の誕生、人間の運命を辿る壮大な物語。

阿部さんはこの神話と人間が絵を描くことの不思議を重ね合わせ、世界のはじまりの風景を描きました。

どうぞこの圧倒的な絵画を前に「生きていること」の不思議を感じにいらしてください。

 

お二人の原画展開催を記念し、トークイベントを行います

6/2.土

「もしも絵が言葉であるとしたら」

nakaban × 阿部海太

18:00~19:30 参加費1500円

ご予約は店頭、メール、お電話にて承ります

blackbird books | 06-7173-9286 | info@blackbirdbooks.jp お名前、ご連絡先、人数をお知らせください

協力 創元社 | デザイン 角谷慶 (Su-)

hajimari

sekainokaze

 

2016.08.31ブログ

原民喜「幼年画」とnakaban「コップの中の風景」

実家の縁側に座り西瓜を食べていたのはいつだったか。

西瓜の種はどこまで飛んだのだろう。

父や母と何を話していただろう。祖父はどこにいたのか。祖母は座って笑っていたに違いない。

西瓜ほど夏の思い出を喚起させる果物はないだろう。甘い水分が口の中に広がるとたちまち子どもの頃を思い出す。

 

原民喜の「幼年画」はそんな誰もが持つ子どもの頃の記憶を、子どもの目線とこの上なく美しい日本語で描いた傑作だ。

記憶の中の小さな声、会話、風景が物語となって目の前に広がる。何事にも代え難い読書の喜びがここにある。

夏祭り、川遊び、鯉、祖母のご飯、兄弟や親戚との遊び、父と二人で汽車に乗ったこと、海、花火、小学校。

舞台は様々だが著者の記憶は読者の記憶と見えないところで結びつき、たちまちあの縁側でスイカを食べていた頃を思い出させてくれる。

昨年の夏、この短編小説集と作家に出会えたことに僕は喜んだ。

 

「幼年画」は初版とその初版が完売した後、新版として装幀を一新したものと表紙が2種類ある。

表紙の絵、題字は共に広島在住の画家nakabanによるもので、コップが描かれている。

先日そのnakabanの個展が池田の小さな山の麓にある古民家を再利用したギャラリー「Fältフェルト」であり、大雨の中家族を連れて観に行った。

旅と記憶を主体とした幾つかの絵の中にまた新しく展示のために書き下ろされていたコップの絵があった。

「コップの中の風景」とある。

「幼年画」の初版の絵(題は「帰路」)と同じようにコップの中に町が描かれている。

これから「幼年画」を読み返すたびにこの絵に触れることになる。

このコップの中の町は原民喜が見た風景でありnakabanが見た風景であり僕が見た風景だ。

僕たちはコップの中の風景を、町を、記憶の中を、彷徨っている。

 

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