本とわたしを離さないで

2018.05.06ブログ

100年後もここで会いましょう。-「目覚めたらふたりは世界の果てにいる」を終えて

土門蘭・寺田マユミ 絵と短歌展『目覚めたらふたりは世界の果てにいる』が無事終了した。

この展示は「100年後あなたもわたしもいない日に」という本を土台にしたもので、この本をもっと多くの人に届けたいと思い企画したものだ。

この本については以前にここで書かせてもらったのでここでは詳しく記さない。

ただ、100年後も世界は美しくありますように、と願う祈りのような本だと書いた。

祈るとはどういうことだろう。

平和を祈る、無事を祈る、再会を祈る。

そこには人びとの希望が込められている。

希望がこの本には綴じ込められている。

だから、この本を開くということは希望を目の当たりにすることになる。

希望は目に見えないけれど、読者の心に留まるだろう。

その心は人を動かすかも知れない。いや、動かしたと思う。

土門さんの短歌と寺田さんの絵に心を動かされたたくさんの人がご来店下さった。

お二人が登壇したトークイベントにもたくさんの方が足を運んで下さった。

この小さな本を両手に包み、また明日から頑張ろうと思います、そんな声を聞いたのは一つや二つではなかった。

 

ある日出勤したら芳名帳に「100年後もここで会いましょう」と記してあった。

本に込められた祈りがまた言葉となってここに返ってきた!と思い僕は感動した。

当然僕は100年後の、今、ここに立っている場所を想像せずにいられなかった。

この小さな、不安定な場所。

この約束を叶えられるだろうか。

例え、肉体がそこにはなくとも、その思いと約束があったことはまずここに記して置かなければいけないと思った。

短歌にあるように、100年後も同じ朝陽が昇るだろう。

その日に想いを馳せることは全く非現実的なことはではなくて、むしろその想いが今を生きることに光を当ててくれると思う。

 

土門さん、寺田さん、柳下さん、ありがとうございました。