2025.02.26展示
私はそういう環境の中で、自分も含めて人間の心理というものを考えるようになった。それは、善も悪も別々に存在するのではなく、一人の人間の中に同時にあるのだ、ということだった。良い人と悪い人がいるのではなく、一人の中に両方が存在する。たまたまそのときにどちらかが出るだけで、絶対的に善い人なんていない。特に極限状態では、悪の部分が出るほうが自然であり、本音なのだ。
だからこそ、ふだんからこの本音を見つめていかないと、人間として弱くなる、と思った。自分の中にも弱さや悪の部分がある。それに目をつぶって見ないふりをしていると、かえって知らず知らずのうちにその部分に引きずられてしまうのだ。
(「第 二 章 障碍児施設へ」より)
障碍者だけのパフォーマンス集団「態変(たいへん)」の主宰者が、想像を絶する極限状況を生き延び、人間の本質を問い続けた「生きること」の物語。
2024年6月の発売後、当店でも大反響を呼んだ金滿里さんの『生きることのはじまり』。
この装画を手掛けた画家ミロコマチコさんの原画が当店にやってきます。
展示期間中はミロコさんのオリジナルポストカード、装画のポストカード、またこの本を28年ぶりに復刻した人々舎樋口さんによる長いあとがき、編集の裏話などを収録したZINE(無料配布)を手に取って頂けます。
是非お運びくださいませ。
金滿里『生きることのはじまり』刊行記念 ミロコマチコ装画巡回展
3.12 – 3.30(期間中17,18,24休み)
at blackbird books
大阪府豊中市寺内2-12-1 1F
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