本とわたしを離さないで

2024.03.08展示

2024.3.27(Wed) – 4.14(Sun) 山口卓也『写真についてのひとりごと』展

 写真を始めて早10年が経過した。

 毎日欠かさずとは言えないものの、誰に頼まれるでもなく、地道に写真を撮り続けてきた。

 政治、戦争、宗教、気候変動、LGBTQ、貧困、難民。

 何ひとつ自分の写真には写っていない。

 私が撮りたかった写真とは何だろうか。

 

いつしかそんな疑問が頭から離れなくなり、一旦カメラを置いて立ち止まる必要があると思った。

私にとっての写真を一から見つめ直すために、写真にまつわるetc.を自分なりの言葉で少しずつ書き留めはじめた。

日々感じていたこと、新しく気が付いたこと、ふと頭に浮かんできたこと。

そして、それらのバラバラに綴られた言葉たちをいつでも見返せるように、一冊のZINEにまとめることにした。

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今回、新作ZINE『写真についてのひとりごと 1に収録された写真/テキストを中心とした作品展示を行います。

ここに綴られている言葉は、高らかな宣言でもなく、人々を導く金言でもありません。

もしかしたら偶然に誰かの耳に届くかもしれない、そんな写真についてのひとりごとです。

(山口卓也)

 

山口さんがblackbird booksに通い出してくれて10年とは言わないが5年以上は軽く経っていると思う。山口さんは真摯(紳士)な人で、写真や芸術に静かに真剣に向き合って来た。だから、こういう本を作るのは必然だったのかも知れない。
”ひとりごと”ではあるけれど先人への感謝と敬意、そして自身の未来へのある決意を宣言した一冊だ。

是非そんな一冊を手に取って写真を見て頂きたい。ひとりごとがどんな風に世に放たれていくのか、とても楽しみです。

(blackbird books 吉川)

 

山口卓也 YAMAGUCHI TAKUYA

写真家。大阪生まれ。

京都外国語大学を卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪にて写真を学ぶ。活動初期からスナップショットの手法を軸に、俯瞰的な視点と独特の憂いを帯びた視線が交錯する独自の写真作品を発表している。また近年は「具象性」と「抽象性」をテーマにしたコンセプチュアルな写真表現にも精力的に取り組む。

website: yamaguchi-takuya.com