2017.04.20イベント
泊まれる出版社「真鶴出版」の川口夫妻は真鶴へ移住して2年だそうだ。
魚の美味しさに感動してひものの本を作り、町案内の冊子を作った。
それを面白がった役場の人が二人と広報の仕事などをするようになった。
真鶴に縁もゆかりもない二人と町が仕事をしていく。
小さな町なので繋がりやすいと川口さんは仰ったけれど真鶴は小さいけれど懐の深い町だと思った。
旧グッゲンハイム邸管理人の森本アリさんは生まれも育ちも塩屋。
町を歩けば老若男女知り合いに出会う。
歴史ある建物や美しい趣のある町並みを残していく。
聞こえはいいけれど、それらを必要ないというのは誰よりもその町を知り尽くし、便利さに憧れる高齢者たち。
アリさんは町の寄り合いで、そしてすれ違う町の道端で高齢者たちと会話を重ねていく。
小さな町だからこそ対話がしやすい。
三人の活き活きとした仕事ぶりを見ていると(もちろんその裏には苦労はたくさんあるだろうけれど)、
ショッピングモールやパチンコやコンビニの並ぶ街を作ってきたこの数十年間はいったい何だったのだろうと考えてしまう。
この二つの町のように今あるもの、今見えている風景に新しい価値を、美を見出すことにこの国の未来があるのかも知れない。
大げさかも知れないけどそう思った夜だった。
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