2016.09.23ブログ
台風が近畿に上陸ということで店を休業した。
その朝警報が出たので娘の保育所はお休み。妻は仕事。
店でどうしてもしなければいけない仕事があったので、雨が徐々に勢いを増す中、三人で車に乗って家を出た。
妻を職場に送り、そのまま娘と二人で店に。
新御堂筋の下りは渋滞していて、店に着くのにいつもの倍かかってしまった。
風が店のシャッターを叩いていた。
僕はすぐに仕事に取り掛かり、娘は持ってきた色鉛筆で絵を描き始める。
娘は出来上がった絵を切り抜いて、次々と本棚にセロテープで貼り付けていく。
何か動物の絵らしい。
「これ何の動物?」と聞くと何故か照れて答えない。
「お仕事終わった?」と10分ごとに聞いてくる。
「もうちょっと」
発送するものがあったので集荷依頼の電話をかける。午前中に来られるか聞いたところ、恐らく午後になるとのこと。
昼には帰宅したかったので営業所へ持ち込むことにする。
雨足が強くなって来たので1時間ほどで仕事を切り上げて娘の手を引いて車に乗り込む。
晩御飯は娘とカレーを作ると決めていたのでスーパーで鶏肉、カレー粉、ヨーグルト、生姜を買い、宅配の営業所へ。
既に土砂降り。
車を営業所の前に停めて「ちょっと待ってて」と言うが一緒に行くと聞かない。抱っこして傘を差すがびしょ濡れ。
帰宅して昼ご飯。二人で肉まんとピザまんを食べる。
窓から台風が通り過ぎるのを眺めたり、積み木をしたり、プリキュアごっこをして過ごす。
雨は降るというより風に横へ流されている。木々は地面に、葉はその木に、必死にしがみついている。
昼寝をさせると夜寝ないのでそのままカレー作りに突入。
鶏もも肉を一口大に切ってヨーグルトに漬け込む。玉ねぎを切って、娘にバターで炒めてもらう。
「もういい?」
「黄色くなるまで」
横から調味料やら水やらを放り込む。
「ぐつぐつするまで混ぜといて」
「わかった!」
自分が何かの役に立っていると感じているとき、娘はとびきりいい顔を見せる。
真剣に鍋を見つめている。横からちょっかいを出したくなるが我慢する。
鶏肉をヨーグルトごと放り込み、また煮込む。
火を消してルーを入れてもらう。
「しっかり混ぜてね」
「わかった!」
キッチンから窓の外を見渡せる。雨は止んで、空からところどころ日が射している。
「では蓋をしてカレーは出来上がりです」
「私が作ったんやで」
4歳は私が、私が、という年頃だ。
ソファーで休憩。夕方には妻を迎えに行かなくてはいけない。
妻から「バスで帰る」とラインが入る。
迎えに行くよと伝えるがちょうど来たので乗ったとのこと。
「お母さんもうすぐ帰るって」
「うん」
「バス停まで迎えに行こうか?」
「行かない」
「なんで?」
「おうちにいたいから」
「お母さん喜ぶと思うけどな」
「行かない」
「雨やんだよ」
「行かない」
「じゃあ飴ちゃんと肩車でどう?」
「、、、わかった。行く」
娘は肩車をすると喜ぶのだ。
そして僕が肩車を出来るのはもう数えるほどしかないだろう。
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