2015.05.10ブログ
書店で沢木耕太郎の新刊を見つけると手に取る癖がある。
学生の頃に読んだ作家というものは忘れないものだ。当時毎日のように「深夜特急」を読んでいた。
深夜特急の影響を受け、バックパッカーに憧れて、何度か旅にも出た。ノンフィクション作家で定期的に読んでいるのはこの作家だけかも知れない。
「旅の窓」は世界中を旅している沢木さんが撮った一枚の写真とその写真に纏わる短い文章を添えた81篇の物語から成っている。
微笑ましいものや、驚きや小さな感動を与えるもの、考えさせられるもの、そんな小さな物語が窓辺の風景のように連なる。
「旅の窓」について著者はこう書いている。
「私たちは、旅の途中で、さまざまな窓からさまざまな風景を眼にする。 ~ しかし、旅を続けていると、ぼんやり眼をやった風景のさらに向こうに、
不意に私たちの内部の風景が見えてくることがある。そのとき、私たちは旅の窓に出会うことになるのだ。その風景の向こうに自分の心の奥をのぞかせてくれる旅の窓に」
これはきっと誰もが思い当たることがあるはず。
僕は通勤でも何でも、窓からの景色を眺めるのが好きで、飽きることがない。例えば新大阪から東京へ向かう新幹線の中でもずっと景色を眺めている。
そうやって心の奥を覗いたりして遊んでいるのかも知れない、そう思った。
沢木耕太郎は父も好きだったようで、実家にいた頃僕が沢木耕太郎を読んでいると「一瞬の夏」を読みなさい、いい本だからと言っていた。
理由はないけれど、それから15年以上経った今も「一瞬の夏」は読んでいない。
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