本とわたしを離さないで

2013.02.25ブログ

田中慎弥 / 第三紀層の魚

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「共喰い」を文庫で読んだ。芥川賞受賞作だけあって面白かった。でも僕は一緒に収録されている「第三紀層の魚」を読んで一気にこの作家を好きになってしまった。

衰弱していく曽祖父に「チヌ」を見せるため海釣りへ通う少年、戦争と自殺した息子の影を背負う曽祖父、曽祖父を介護する祖母、夫を病気で亡くし一人で少年を育てるため懸命にうどん店で働く母親、関門海峡のある町での物語。描写が抜群に上手くて、海や魚の匂い、介護や葬式の風景、親子の会話が目の前を通り過ぎていく。更に方言が土の匂いを運んでくる。

子供の頃、大人の涙や会話の意味を良く理解出来ないことがあった。そして自分が何故泣いているのかを。そんなことってなかったですか?

少年は曽祖父の死後、一人で海へ行き、関わりを持ちたくなかったよく見かける鼻の潰れた男に助けられながら、大きな「コチ」を釣る。そしてその場でわけもわからず泣きだしてしまう。曽祖父のこと、東京へ引っ越すこと、苗字が変わるかも知れないこと、男に助けれられたこと、塾のこと、あらゆる理由を考えながら涙が落ちる。この場面は、目頭が熱くなった。
是非読んで欲しい。

古典的な名作になって教科書にも載せて欲しいなと思った。

文庫版に収録されている寂聴さんとの対談で芥川は好きじゃないけど、「トロッコ」は好きと言っていたのに凄く納得した。