本とわたしを離さないで

2020.09.09ブログ

blackbird gift cardについて

企画・デザイン:微花

製作:花店note

発売:blackbird books

 

blackbird booksオリジナルのギフトカードをリリースしました。

以下、製作・発売に至った経緯を簡単にお知らせ致します。

 

LINEを遡って見ると植物図鑑「微花」を作っている石躍さんと西田さんからbbbの図書カードを作りたい、と最初に連絡が来たのは2020年の4月13日。

この日は、新型コロナウイルス感染症の影響であらゆる業態の店が「開ける・閉める」の選択を迫られ、「テイクアウト・通販」の準備に右往左往する中、bbbとしては本を必要だと言う人たちのために、そして家族を養うために夕方まで店を開けるという選択をしてしばらくしてからのことでした。

お世話になって来た多くの本屋の苦しい現状を見ていて、何か出来ることはないかと連絡をくれたのです。

blackbird booksという場を続けて欲しい、知って欲しい、今は行けなくともいつか訪れて欲しい、という明確でこちらが少し遠慮してしまいそうなメッセージを受け取りました。

以前にもどこかで書きましたが「微花」の二人とは店を創業した頃からの付き合いなので6年ぐらいになります。取引先の相手として、店と客の関係として、そして今では友人として気の許せる付き合いがあります。

僕らの間には本と花があり、本屋という場所がありました。本屋以外の場所で言葉を交わすことは打ち上げなどの年に一、二回の例外を除いてありません。

本屋という小さな空間で交された短い時間の積み重ねだけで信頼関係が生まれていることに、小さな感動を覚えます。

 

bbbでギフトカードを作るのであれば、やはり「花」を使いたい、ということでした。

bbbは花屋を併設しているので花を担当している妻に早速相談すると彼女は是非やりたいとのことでした。

今回のギフトカードには彼女の運営する花店noteの押し花を使っています。

僕もこの数年実際に横で見ていてはっきりと分かったのですが生花を販売すると、どうしてもロスが出ます。

枯れる前にドライフラワーにすることは出来ますが、全ての植物を出来るわけではないし、切り落とすものも出て来ます。枯れたと一口に言っても枯れた花の美しさもある。

それらを箒で片付けることは簡単ですが、妻はそうすることを嫌っていました。

一方で「微花」は道端の植物を観察し、雑草という名の花はないという信念があり、名前の忘れられている花や見過ごされる風景(一歩外に出れば、気づかないだけで視界には植物が溢れているはずです)、つまり小さな生命の呼吸のようなものを汲み取っていました。

妻と微花の間には共振するものがあります。

blackbird gift cardはその小さな共感の振動、そして小さな生命の残響、そういうものが形になったと思います。

最初は感染症の影響もあり、営業が苦しくなる前に、GW明けには出したいね、と話していたのですがアイデアを共有していく中でせっかくなのだから妥協せず、急がず、良い物を作りたいという全員の想いが強くなり、この9月に発表することになりました。

 

このカードは店頭でのご利用となります。

bbbを紹介したい方、いつか自分で行ってみたい方、本はやはり手に取って選びたい方、コロナをはじめ様々な事情で今は来られることが出来ない方、

贈り物としても、あるいは自分のためにも花を眺めながらどんな本を選ぼうか空想をお楽しみください。

店頭、ホームページで販売致します。