本とわたしを離さないで

2014.12.26ブログ

日本のものづくりと美しいもの 「BOWS & ARROWS」

BOWS1

正月のお平の盛った漆器のお椀、母の裁縫道具箱に入っている糸切り鋏、実家の急須、真っ黒なすき焼き鍋、祖母が鯛を捌いていた包丁、小学生の頃身近にあった文房具、アラビックヤマトの糊、ノート、恐る恐る触れていた和紙、鶴の折り紙、父が胡麻を擂っていたすり鉢、初めて見た小さな磁器の箸置き、それらは今、使っていなくても、思い浮かべるだけで手触りが蘇ったりするんです。何故でしょう。日本人だから、懐かしいから、良く使っていたから、でしょうか。でも、何よりもずっと長く使われていて、手に馴染んで、美しいからだと思います。子どもの頃はモノを乱暴に扱って、大切さをよく分かっていませんでした。そして何かを「美しい」と思う心が育ってなかったように思います。桜が散るのを見て親に「綺麗ね」と言われてもよく分からなかったりします。でも、美しいものは記憶や手触りとして残っている。不思議ですね。そして、それは人間の素晴らしい部分だと思います。

この本「BOWS & ARROWS」にはそんな日本の「美しい」がたくさん載っています。そしてそれらを作り続けている人々がいます。本当にかっこいい人たちです。(関係ないけど最近、かっこいい、という言葉好きです)この本も、日本の素晴らしい印刷技術に寄って作られた大変かっこいい本です。

父が昨年定年退職し、神戸の実家に母を一人残し、金沢の大学へ工芸を学びに行きました。一人暮らしをしています。漆器などの伝統工芸に興味があることは昔から知っていました。父の子どものころの記憶はもちろん私に分かる術もありませんが、美しいものを探求する心は年を取っても変わらないようです。