本とわたしを離さないで

2020.04.12ブログ

コロナ禍と安倍政権下のbbb、そして言葉について

 

コロナと安倍政権に追い詰められる中でこの二ヶ月ほど同じことをぐるぐると考えている。

結論がなく、まとまりそうもないので、考えていることをそのまま書く。

大きく分けると二つのことを考えている。自分に向かって問いかけている。

 

一つは店を開けるべきか閉めるべきか。

bbbでは今のところ営業を続けている。

コロナの影響は長引くだろうから細々とでも続けられる形態を探したい、一度閉めると再び開けるのは難しくなるのではないか、と小さな理由付けみたいなのは幾つもある。

けれど大きな理由はただひとつ、閉めれば収入が途絶えるから。

小三(になった)の長女ともうすぐ一歳の次女がいる。

妻は次女の出産のため昨年会社を辞め、この春からこれまで不定期でbbbで活動していた花屋の活動を始めるつもりだったが長女の学校が休校になったので身動きが取れず、

また次女は4月から保育所が決まったけれど、家に長女はいるし、この状況で預けるのはほとんど意味がないのでそれも延期した。

我が家の収入は本を売るしかない。

つまり、開けるべきか閉めるべきかは死活問題だ。ぎりぎりまで、極限まで、考えている。今も。

 

二つ目は仕事について。

僕の仕事は何だろうと考える。買い取った本、出版社や個人が作った本を読者に届けること。

簡単ではないが、極めてシンプルな仕事だと思う。

僕は僕のやるべきこと、出来ることをやっていきたい。

本を待っている人がいる。

そして、本を心の拠り所にしている人がいる。本屋に行くことで心の平穏を保っている人がいる。

僕は一人で本屋をしているのでお客さんとは一対一の関係だ。

暮らしていくために、夜を乗り越えるために、本が必要だという個人を僕は具体的に顔を思い浮かべることが出来る。

この人たちがもし、今、本を必要としているのなら、店を開ける理由になるだろう。ならないだろうか。

そして大事なのは、この人たちがいなければ、僕は本屋を続けることが出来ない。ここには相関関係がある。

毎月山のように本を買うあの人、二時間も三時間も粘って文庫本を一冊震える手で買うあの人。

 

ただ奇跡的に政府が方向転換したり政権交代があったりして収入の不安が一時的にでも解消された場合、僕は店を閉めるだろう。

感染のリスクを減らすことは僕にとっても家族にとっても社会にとっても大切なのは分かっている。

そしてそうなった時、相関関係は崩れるだろうか。僕は、これが僕の仕事だと、見栄を切っていただけだろうか。

 

結局のところ、社会が、政治によって決められている(歪められている)以上、僕は信頼出来る政府、あるいはリーダーの「言葉」を望んでいるのかも知れない。

「お金のことは心配しなくて良い。預かった税金でみなさんの健康で文化的な最低限度の生活を保証する。本を必要な人が困らないような社会をつくる。だから、blackbird booksも協力して欲しい」

その言葉を信用出来る人間から放たれるのを半ば諦めながら待っている。

そしてまた同じ問いを繰り返している。