本とわたしを離さないで

2013.10.07ブログ

ヘレン・バンナーマン / ちびくろ・さんぼ

子どもの頃読んだ記憶のある絵本を3つ選べ、と言われたら「ぐるんぱのようちえん」「ごんぎつね」「ちびくろ・さんぼ」ですかね。次点で「エルマーとりゅう」かな。でもこれは絵本じゃないか。
でもこれらの本はいつしか無くなってしまって、実家の母親に電話で聞いたら「さあ、どこいったのかな」と言われてしまいました。

「ちびくろ・さんぼ」今読んでも面白いですね。トラがぐるぐる回って溶けてバターになってそれをパンケーキにして食べてしまうんだもの。おかあさんのまんぼは27も、おとうさんのじゃんぼは55も、そしてちびくろ・さんぼは169も食べてしまうんだもの。

なんでトラが溶けてバターになるのか(村上春樹は上手くこれを比喩としてある小説で使っていますね)、食べたお皿の数はなにか意味があるのか、考えてもしょうがないんですが、考えると面白い。意味なんてきっとないんでしょうけど。

意味のないものが面白い。わかってしまうと面白くない。もうすぐ2歳になる娘と絵本を読んでいると分かります。仕組みがわかってしまうともう興味がないみたい。娘はこの「ちびくろ・さんぼ」と「そらいろのたね」に夢中です。「そらいろのたね」なんてたねを植えたら家が出てくるんだからもうわけわかんない。どちらもユーモアがあって面白いです。絵本は幾ら読んでもわけわかんないから大人になっても面白いのでしょう、きっと。

この窮屈な社会においては形のあるもの、意味のあるものばかりを求められがちですが、わからないものはわからないでいいと思いますし、軽く笑えるユーモアが足りない気がしますね。でもそれはまた別の話か。