2018.11.15ブログ
ある晩に僕は人間を蝋燭に見立てて夜道を帰った。
人間は蝋燭なのだ。
それぞれの火を灯し、燃え尽きるまで、蝋が無くなるまで、歩いていく。
そうか、自分のお店も蝋燭のようなものかも知れないと僕は思った。
朝、お店に入り、火を灯す。
上手に言葉を照らさなくてはいけない。
夜になると火を消して家へ帰る。
火を灯せなくなったとき、それは自分の命がなくなるとき、あるいは家族に何かあったりお金がなくなったりしてお店を続けられなくなった時だ。
雨風はまさに風前の灯火。火のようにお店も横に揺れる。
けれどただ燃え尽きるのを眺めているわけではない。
蝋燭の良い所はその火を持ち帰ることが出来ることだ。
一日一日、お客さんが火を持ち帰ってくれたのなら(あるいは火を運んで来てくれたのなら)、お店を続ける意味があるのかも知れない。
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