本とわたしを離さないで

category archives : 展示

2024.04.05

2024.04.20.sat – 5.12.sun 寺井奈緒美 & habotan『生活フォーエバー』刊行記念展

生活は腐敗との戦いだから米を炊けフォーエバー

もうずっと前に無くした気がしていた正気が鞄の底で見つかる

改札に向かうレースの一等になれたことない一度すらない

永遠を信じましょうよ冷凍庫入れれば賞味期限は無効

活躍をお祈りされる筋合いはないが見たいのなら見せてやる

ーーーーー

寺井奈緒美による短歌&エッセイ集『生活フォーエバー』(ELVIS PRESS)の刊行記念展を開催します。

刊行からちょうど一年経ちますが、既に3刷となっており、その勢いは止まる気配がありません。

口コミで本書の面白さが伝わっているのを実感します。短歌もエッセイも日々の生活の可笑しみを宝石のように取り出して見せてくれています。

寺井奈緒美は、歌人として活動するほか、habotanとしてユーモラスで愛らしい土人形を制作しており、本展では『生活フォーエバー』に収録の短歌を展示するほか、habotanの土人形も展示販売します。

そして短歌キーホルダー、巾着トートバッグも販売します。どうぞお楽しみに!

 

寺井奈緒美(てらい・なおみ)
1985年ホノルル生まれ。愛知育ち、東京在住。趣味は粘土で縁起のよい人形をつくること。2019年4月、新鋭短歌シリーズ『アーのようなカー』(書肆侃侃房)刊行。
2023年4月、短歌とエッセイ『生活フォーエバー』(ELVIS PRESS)刊行。

2024.03.08

2024.3.27(Wed) – 4.14(Sun) 山口卓也『写真についてのひとりごと』展

 写真を始めて早10年が経過した。

 毎日欠かさずとは言えないものの、誰に頼まれるでもなく、地道に写真を撮り続けてきた。

 政治、戦争、宗教、気候変動、LGBTQ、貧困、難民。

 何ひとつ自分の写真には写っていない。

 私が撮りたかった写真とは何だろうか。

 

いつしかそんな疑問が頭から離れなくなり、一旦カメラを置いて立ち止まる必要があると思った。

私にとっての写真を一から見つめ直すために、写真にまつわるetc.を自分なりの言葉で少しずつ書き留めはじめた。

日々感じていたこと、新しく気が付いたこと、ふと頭に浮かんできたこと。

そして、それらのバラバラに綴られた言葉たちをいつでも見返せるように、一冊のZINEにまとめることにした。

――――――

今回、新作ZINE『写真についてのひとりごと 1に収録された写真/テキストを中心とした作品展示を行います。

ここに綴られている言葉は、高らかな宣言でもなく、人々を導く金言でもありません。

もしかしたら偶然に誰かの耳に届くかもしれない、そんな写真についてのひとりごとです。

(山口卓也)

 

山口さんがblackbird booksに通い出してくれて10年とは言わないが5年以上は軽く経っていると思う。山口さんは真摯(紳士)な人で、写真や芸術に静かに真剣に向き合って来た。だから、こういう本を作るのは必然だったのかも知れない。
”ひとりごと”ではあるけれど先人への感謝と敬意、そして自身の未来へのある決意を宣言した一冊だ。

是非そんな一冊を手に取って写真を見て頂きたい。ひとりごとがどんな風に世に放たれていくのか、とても楽しみです。

(blackbird books 吉川)

 

山口卓也 YAMAGUCHI TAKUYA

写真家。大阪生まれ。

京都外国語大学を卒業後、ビジュアルアーツ専門学校大阪にて写真を学ぶ。活動初期からスナップショットの手法を軸に、俯瞰的な視点と独特の憂いを帯びた視線が交錯する独自の写真作品を発表している。また近年は「具象性」と「抽象性」をテーマにしたコンセプチュアルな写真表現にも精力的に取り組む。

website: yamaguchi-takuya.com

 

 

2024.02.24

2024.03.13(Wed)-03.24(Sun) 猫を飼うつもりはなかった makitaaki ZINE&PHOTO Exhibition

猫はかわいい。異論はない。どちらかというと猫派だ。

でも好きな時に旅行に行きたいし、ひとつの場所に縛られたくない。

だからこの人生で、猫を飼うつもりはなかった。

モフちゃんに出会うまでは。

コロナ禍真っ只中の2020年、鬱々としていた気分を紛らわす為に夜の散歩を日課としていました。

そのうち近所に野良猫一家が住んでいることに気がつきおやつやおもちゃを持って通い始めました。どの猫も桜耳ではないことが気になりつつも。

やがて冬を迎え春に差し掛かる頃、猫たちは発情期を迎えました。

1匹の猫が風邪を引いたことをきっかけに保護猫団体さんにコンタクトを取り猫たちに避妊手術をすることを決意。

特にお気に入りだった「モフちゃん」という猫をそのままうちで引き取ることに。突如始まった、飼うつもりのなかった猫との生活

愛猫との出会い、暮らしを写真と言葉で綴り1冊のzineを作りました。その中から数点を写真作品として今回展示します。

(makitaaki)

猫との生活を言葉と写真で綴じたZINE『猫を飼うつもりはなかった』は発売後、静かに反響を呼んでいます。

写真は山口卓也さん。是非手に取って見てください。

zineの売上の一部は「勝手にのらねこ基金」として保護猫団体さんに寄付を予定しています。

過去の寄付先:

古都ねこくらぶさま(20239月)

石川県獣医師会さま(20241月)

 

makitaaki

鳥取県出身。

London College of Communications, University of the Arts London卒業。ロンドン、東京、ベルリンで暮らした後、現在京都在住。

コロナ禍中に、自作のzineなどを制作・販売するセルフパブリッシング「POTLUCK PARTY」を始動。

旅をする途中で見つけた面白いものや日々の生活の中で感じたことをイラストや文章と共にzineというメディアで表現。主に文学フリマ京都など関西のブックフェアに参加・販売。

 

 

2024.02.21

会期延長 3/3(日)まで←2/3(土) – 2/25(日) ナナロク社の「詩と造本」展

※好評につき開催期間を延長致します。3月3日(日)まで。

歌集、グッズ、特典も補充いたします!

 

2020年、凄まじい動員を記録したナナロク社の「詩と造本」展、約3年半ぶり2回目の開催です。

今回は話題作を発行し続けているナナロク社の「歌集」を中心に展開します。

 

歌人と装丁家と出版社の協働で短歌を束ねて一冊の本にする。その制作過程のエピソードから紙の名前や造本のたくらみまで詳しくお伝えする展示です。

期間中、歌人の伊藤紺さんが2月7日の17時半から在廊予定です。岡野大嗣さんも時々来店されます。

 

特典、グッズのご案内

・ナナロク社歌集ご購入特典(店頭のみ)

歌集の造本についての情報がまとめられたポストカードセット(12枚入)

・店頭販売グッズ

短歌アクリルキーホルダー(木下龍也9種・岡野大嗣9種)

短歌焼印しおり(木下達也9種・岡野大嗣9種)

伊藤紺×脇田あすか「〜 Relay 〜」蛇腹ポストカード

(歌人の伊藤紺とデザイナーの脇田あすかの二人展「〜 Relay 〜」の会場でのみ販売されたグッズです。伊藤の短歌を見て、脇田が絵を描き、その絵を見て、伊藤が短歌を書く……といった3往復による作品が、6枚組の蛇腹ポストカードになりました。全2種です。ミシン目で切り離しても使え、繋がったまま飾るのもいい。)

 

2023.12.26

2024.1.13 sat -1.28 sun 中島あかね Akane Nakajima 『FLOW』

中島あかねの作品集『FLOW』(torch press)は、中島が身近にある小さな自然に触れた感覚を、水彩のにじみを用いて表現した新境地です。強い日差しを浴びた植物の葉、アスファルトに落ちた影、夕方の薄紫色の花びら、枯れた草などをイメージソースに、ドローイングへと落とし込みました。日常の小さな気づきを絵に落とし込むことで、中島の独特の感性が立ち現れてきます。小さな蛇腹本を束ねるリボンには中島自ら着色を施しています。
本書の刊行を記念して、blackbird booksの店内にて新作ドローイングと原画を展示します。

 

中島さんをbbbへお招きするのは初めてです。前作の『Float』を見た時から注目していたのでとても楽しみです。

 

中島あかね(Akane Nakajima)
1992年生まれ、東京在住。主な個展に、2015年に個展「レジャー」をガーディアン・ガーデン(東京)、2016年「ちょっとさわる」Gallery Trax(山梨)、2017年「庭を泳ぐ」、VACANT(東京)、2019年「夏の一日」Gallery Trax(山梨)などがある。主なグループ展に、2018年カニエ・ナハとの二人展「準備している時が一番もりあがる」Open Letter(東京)など。2020年に作品集『Float』を、2023年に『FLOW』をtorch pressより刊行。